貴重な体験

済々黌高校:E・Yさん

 「自分に起こるはずがない」、「ありえない」なんて思っていたことが実際に自分の身に起こった時、あなたならどうしますか?
 入試の約1ヵ月前、それ以前は何の兆候もなかったのに、急にインフルエンザが流行し始めました。周りのクラスメイトが次々にインフルエンザで学校を休む中で、私はいたって普通に、むしろ元気に過ごしていました。1年生、2年生とインフルエンザにはかからなかったことから、このまま入試本番をむかえられるだろう、そう思っていました。
 入試前日、最後の復習にとプリントを解いていた時、喉に違和感を感じました。何しろ突然だったので「喉の中に小さい虫でも入ったんだろう。」と気楽に(本当に虫が入っていたら充分大丈夫じゃないですが)考えていました。翌日、相変わらず喉の違和感は消えておらず、頭痛もしたことから「風邪ひいた。やってしまった。」と思いました。1日目の教科は幸い得意なものばかり。問題は2日目(特に数学)。市販の風邪薬では臨むことは出来ないと考え、1日目終了後、直ちに病院へ。風邪気味と先生に報告すると念のためインフルエンザの検査をすることになりました。嫌な予感に限ってあたるもので、結果はA型インフルエンザ。2日目は、別室受験者の中でただ一人保健室受験。もちろん、前日はずっと寝こんで復習も何も出来なかったし、当日は直前まで点滴をしていたので不安で仕方ありませんでした。でも、ここまで自分がしてきたこと、家庭や塾の先生、学校の先生が支えてきてくれたことを思うと、不思議と不安が消えていきました。
 人は予測できない事態が起こった時、正常に物事を考えることができなくなります。そして不安におそわれます。だけど自分を信じる、自分のしてきたことを信じる、周りの人を信じる、何か自分の中に変わらない信念を持っていればそんな物、全然恐くないと気づくことができます。保健室受験はそんなことを気づかせてくれた貴重な体験となりました。

 


 

ありがとうございました

E・Yさんの保護者様より

 早稲田スクールの先生方に対しては、この言葉しか思いあたりません。
 本人は努力しているつもりでも結果が伴わないこともあります。受験が近づき、焦りが出るそんな時、温かく励まし、また自信を持たせていただきました。
 小学校高学年から早稲田スクールにお世話になりましたが、本人にとって志望校に入学することは、小学生の時からの一つの目標でした。
 その目標に向かって努力を続けてきました。受験に備えては、本人も家族も体調管理には特に気をつけていたところですが、試験1日目から体調がおもわしくなく、その日の夜から発熱、翌朝になっても熱は下がりません。早朝でしたが、日頃からお世話になっている内科の先生にお願いし、点滴を措置していただきました。暫くベッドで休ませて、試験開始前、どうにか高校正門まで送りとどけましたが、発熱のためか、1日目よりも更に辛そうでした。2日目は高校のご配慮で保健室にて受けさせていただきましが、この時ばかりは神仏に縋り、また、ご先祖様を総動員して祈ることしかできませんでした。
 このようなことは、家族にとって初めての経験でしたが、本人の思い、頑張り、そして周りの方々の様々なサポートにより、どうにか2日間の試験を受けることができました。このような厳しい中でも、力を発揮してくれましたが、早稲田スクールにはそれだけの力をつけていただいたと思っています。
 今回の受験は本当に色々なことがありましたが、お陰様で目標とする高校に入学することができました。本人にはこの高校の3年間、充実した時を過ごし、その中で新たな目標をみつけ、その目標に向かって一歩ずつでいいので歩んでいってほしい、ただそれだけを願っています。
 どのご家庭でも受験に備え、体調管理にはご留意されることと思います。万全の体調で試験に臨むことができれば何よりですが、万が一、体調を崩されたとしても中学校を通じ高校へご連絡いただければ、別室受験など高校側ではご配慮をしていただけます。
 今回、早稲田スクールからご連絡があり、このような拙文を書かせていただきましたが、学力だけではなく、受験に当たっての心構えにもご配慮いただいた早稲田スクールの先生方はもとより、中学校の先生方、主治医の先生、看護師さん、事務員さん、別室受験のお世話をしていただいた高校の先生方皆様に、この紙面をおかりしまして心からお礼申し上げます。ありがとうございました。